国語+こころの話―。
話の設定を合わせる、的な印象の語「口裏(くちうら)を合わせる」と、
その語源に関わるっぽい語、「口占(くちうら)」の話を。
(※テンポ上後回しにしますが、追記で「口裏(くちうら)」の話も)
遅くなってしまったので簡単に。
前置き。
昨日「口(くち)」を表す外国語などを調べた流れで、
見つけた語の「口裏(くちうら)」周りが面白かったので、その話を。
※
まず「口裏(くちうら)を合わせる」とは、話を合わせる、みたいな感じの語ですね。
例えば、誰かに隠さなきゃいけない秘密(ひみつ)があった時に、
食い違いが起きないよう、他の人と話の設定を合わせておく…みたいな印象です。
個人的には、「作り話」や「嘘(うそ)」に近いイメージもありますね。
で、筆者は上記の「口裏を合わせる」の意味は知っているつもりだったのですが、
その「口裏(くちうら)」が何かは、知りませんで。
何と無く「『裏』で『口』を合わせているのか…?」と勝手に思っていたのですが。
でも調べてみると、実は「裏」という字は余り関係なく、
元々は「占い(うらない)」に関する語のようです。
というのも国語辞典によれば、
「口裏(くちうら)」は元々「口占(くちうら)」のことであり、
「人の言葉を聞いて、吉凶(きっきょう)を占う意」と載っておりました。
ざっくり言うと、「言葉占い」って感じでしょうか。
(※ちなみに「口裏」自体の意味は追記で)
内容的に、「口占」の「口」は「言葉」を意味するかと思うので、
ある意味「(その人の)『口』(言葉)で『占い』はできる!」ってことかと思いますが。
…こう書くと、「口の形占い」っぽいですね。今日はアヒル口の人が超ラッキー!
※
さて、自分たちは上手く「口裏を合わせた」つもりでも、
やましいことがあれば、その様子や言葉からバレる…という事はある気がします。
推理ドラマ、あるいは実際の事件の犯人(※テレビ番組等参考)でも、
そういうことがあったりするみたいですしね。
「みんなで嘘つけば大丈夫」と思い、ほいほい嘘を重ねていると。
やがて辻褄(つじつま)…細かい設定も合わなくなって、
結局「口占」における「凶」、悪い結果を呼び込んでしまうかも?
なのでそもそも「口裏を合わせる」ことが必要な事態(隠し事)は、
できる限り少なくしておくのが、良いのかもですね。
まあそんな感じで~。
追記
ちなみに国語辞典では「口裏(くちうら)」は、
「相手の真意(しんい)が推察(すいさつ)できるような、物の言いっぷり」と載っていました。
ざっくり言うと、「その人の本音(ほんね)が分かるような語り方・語調(ごちょう)」って感じですかね。
なので「口占」や「口裏」には、特に「嘘」的なイメージはなく、
むしろ「相手の運勢や真意を知る」という意味では、「真実」に迫る部分すらありそうですね。
…まあそこから「口裏を合わせる」という語を見ると、
「占い結果を操作した…!?」とか「真実をねじ曲げた…」という感が出てしまうのですが。
追記2
ちなみに、相手の心(こころ)を読む術に「読心術(どくしんじゅつ)」、
また相手の唇(くちびる)から言葉を読み取る術に「読唇術(どくしんじゅつ)」というものもあったりします。
二つはまた違った物のようですが、
昔見たドラマで「顔のあらゆる動きから相手の心理を読み取る」という作品もあったので、
「唇(とか)の動きを読み、心を読む」…つまり「読唇術で読心術」という場合もあるかもしれません。