体育+国語+英語の話―。
なかなか矛盾(むじゅん)感のあるタイトルですが。
柔道(じゅうどう)などで寝(ね)たまま行う技、①「寝技(ねわざ)」と。
「裏工作(うらこうさく)」的な意味の②「寝技(ねわざ)」の話を。
遅くなってしまったので簡単に。
前置き。
まず①「寝技(ねわざ)」というと、柔道(じゅうどう)などの技、という印象ですね。
地面(じめん)に寝(ね)た状態で、相手を押さえ込む技という感じです。
(ちなみに試合(しあい)では、そうして一定時間押さえ込むか、相手がギブアップするのを待つ感じになりますね)
ちなみに「寝技」の反対語は「立ち技(たちわざ)」になるようですし、
文字的にも、「寝技」を「立(た)ったまま」行う・かけることはできなさそうなのですが。
(立っているのに寝ている、というと矛盾(むじゅん)になってしまいますし)
しかし文の上では、割と簡単にできたりするかもです。
というのも、また別の意味の②「寝技」という語があったりするからですね。
まず国語辞典では「寝技」について、
上記の柔道などにおける技としての意味も載っていたのですが。
他にも②「俗に、舞台裏(ぶたいうら)のかけひきで、それまでの成行きをひっくり返す意にも用いられる」と書いてありました。
また和英辞典においても、「寝技」には②「裏面(うらめん)でのかけひき」という意味もあり、
その場合の英訳は「underhand tricks(アンダーハンド・トリックス)」などとなっておりました。
英和辞典によれば「underhand(アンダーハンド)」には「秘密の」、「不正(ふせい)の」、
「trick(トリック)」は「計略(けいりゃく)」や「たくらみ(企み)」などの意味があったので、
「秘密の(underhand)計略(tricks)」→「寝技(underhand tricks)」って感じですかね。
で、これらの、裏で行う②「寝技」はざっくり言うと、
いわゆる「裏工作(うらこうさく)」的な物かと思うのですが。
(※この辺りは筆者のイメージなのでご注意を。
ちなみに「裏工作(うらこうさく)」とは、裏でいろいろ仕組むことって感じですね)
「裏工作」をする時は別に「寝ている」必要は無い…、
というか、むしろ「立った状態」で色んな所に移動(いどう)したりしてそうです。
そう考えると「『寝技』を『立ったまま』行えますか?」と聞かれたら。
「寝技(柔道)」については「無理」かもですが、
「寝技(裏工作)」については、「もちろん!」というのが答えになるかもですね。
※
まあ②「寝技(裏工作)」は、ちょっと昔っぽい言葉かもなので、
今ではほぼ①「寝技(柔道)」の方しか聞かないかもですが。
でも例えばあなたが、ちょっと昔の小説などを読むことがあり、
そしてそれが推理とか政治系がテーマのはずなのに、
急に「寝技(ねわざ)」という言葉がでてきたなら。
「いきなり『寝技』…『柔道』が始まった…!?」とか、
「会話に負けたからキレて実力行使に…!?」と決めつける前に、
②「寝技(裏工作、かけひき)」の方を思い出してみても、いいかもですね。
まあそんな感じで~。
◆用語集
・寝技(ねわざ)【柔道など】
・寝技(ねわざ)【裏での工作など】
関連用語:「口裏(くちうら)」*1
*1:「口裏(くちうら)」については 3/25 国+こころ:「口(くち)」で「占い(うらない)」はできますか? ~「口裏(くちうら)を合わせる」と「口占(くちうら)」の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。