音楽+国語の話―。
「今、平安時代の音楽…『今様』がアツい!」的な話ではありません。
平安~鎌倉時代に流行ったらしい歌、「今様(いまよう)」と、
その語が持つ「流行歌(りゅうこうか)」などの意味の話を。
遅くなってしまったので簡単に。
前置き。
昨日の記事で「○○風」とか「様式(ようしき)」などについて扱う中で、
ふと「今様(いまよう)」という言葉を思い出したので、調べてみました。
※
まず「今様(いまよう)」とは、日本の歌(うた)の一つですね。
といってもその誕生(たんじょう)・流行(りゅうこう)は古く、
Wikipedia等によれば、大体「平安時代~鎌倉時代」に流行ったりしたようです。
なので歴史や音楽、国語の教科書で名前を見るイメージですかね。
筆者も「今様」に詳しくないので調べてみると、
その歌詞は「七五調」…七音・五音の繰り返しらしいです。
なので「『俳句(はいく)/5・7・5』が(順序逆になりつつ)長くなってメロディーがついたもの」と考えると、ざっくりとはイメージしやすいかもしれません。
(ちなみにネットの動画で聞いたら、ゆっくりとして伸びやかな感じでした)
さて、そんな「今様」、「今」という字は入りつつも、
現代から見ると「昔(むかし)」の音楽…という感じもしますが。
しかし今様は、現代でもよく歌われている、と言えるかもしれません。
何故なら「今様」は「流行歌(りゅうこうか)」という意味もあるからですね。
まず漢和辞典によれば、「今様(いまよう)」は、
上に書いた音楽形式としての「今様」(今様歌)の他にも、
「現代風(げんだいふう)」という意味もあるらしく。
また漢和辞典の「今様歌(いまよううた)」という語の説明では、
「流行歌(りゅうこうか)」…流行(りゅうこう)している歌(うた)、という意味もありました。
そして上に書いたように「今様」と書くだけで、この「今様歌」を表したりするらしいですね。
(Wikipediaでも、「今様」は当時の「現代流行歌」という意味の名前、と解説されていました)
なので「今様=今様歌=流行歌」の場合があると考えると、
平安・鎌倉時代から遠く離れた現代でも、
「『流行』の『歌』は『今様(流行歌)』!」と言えるかもですね。
ついでに「『JーPOP』も『KーPOP』も『今様(流行歌)』だね!」なども言えるかもですが、
こちらはかなり「何を言っているんだ…?」という目で見られそうですね。
※
まあ今の「流行歌」を、「今様」と呼ぶことはなかなかなさそうですが。
でも「今様」という名前を、
昔の人が「この曲、すごく『現代風(今様)』だね!」とか、
「まさに『流行歌(今様)』じゃん!」と思って付けたのかな…などと考えると面白いですね。
今で言うと例えば「旬(しゅん)の曲」とか「超バズりミュージック」、「再生○○万回越え」みたいな感じでしょうか。
なので、どこかで「今様」という語を目にする言葉があれば。
自分が知っている、今(現代)の「流行歌」などをイメージしつつ、
「昔の『今様』って、今のあの『今様(流行歌)』くらい流行ってたのかな…」
なんて考えてみても、面白いかも?
まあそんな感じで~。