国語+美術+理科の話―。
すごく矛盾(むじゅん)した感じのタイトルですが。
色の青(あお)を表すことも多い漢字、「蒼(そう)」と、
その他の意味、「青黒(あおぐろ)い」や「白髪(しらが)混じりのさま」等の話を。
前置き。
昨日の「葱(そう)/青い」*1の話から続いて、
今日も「青」や「蒼」に関する話を。
※
まず「蒼(そう)」とは、色(いろ)の「青(あお)」を表すのによく使われる字ですね。
漢和辞典でも、そのまま「蒼(あお)」という読みが載っていたり
青空(あおぞら)のことを「蒼天(そうてん)」と呼んだりもします。
あと見た目がカッコいいからか、ゲーム等でもよく見かける印象の字ですね。
さて、こう書くと「青空」のきれいな「青」のイメージから、
「『蒼』=『青』なんだな~」と思われるかもですが…。
…しかし、どうやらそんなに単純な話でもないようです。
というのも「蒼」には、「青黒(あおぐろ)い」とか「白(しろ)」的な意味もあるようなので。
まず漢和辞典によれば「蒼(そう)」の字には、
「青黒(あおぐろ)い」という意味も載っていまして。
「青黒(あおぐろ)い」というと、ネットによれば「青みを帯びた黒色」らしいので、
むしろ「黒(くろ)」がメインになっているのが興味深いですね。
また他にも漢和辞典によれば、
「蒼」には「しらがまじりのさま」(白髪交じりの様子)という意味があるようです。
そのため「蒼然(そうぜん)」という熟語の意味の一つは、「髪の毛の白(しろ)いさま」となっておりました。
つまり、こちらでは「蒼=白(白髪)」となっているわけですね。
まあ普段は、「蒼」は「青」の意味のことが多い印象ですが、
上記のように、時に「黒」や「白」の意味を表すことを考えると、
「『青(蒼)』は『黒』くて『白』いの…?」って気分になってきますね。
矛盾感がものすごいです。
※
まあ上に書いたように、
今の「蒼」は、大体「青」のことが多いかと思いますが。
ただし昔の資料や、古文(こぶん)の問題では、
「蒼」が「青」とは違う意味で、使われているかもしれません。
例えば古文のテストで「『蒼』=『青』だろ!」と決めてかかって、
テスト返却の時、後悔で顔が「蒼白(そうはく)/青白」になったり、
「目を白黒(しろくろ)させる」(動揺する)ことになるのも残念なので。
「蒼(そう)」の字の扱いには、慎重(しんちょう)になってみてもいいかも?
まあそんな感じで~。
*1:「青い」という意味もある漢字「葱(そう)」については 2/26 生+国他:「春(はる)」は「草木(くさき)」が「ネギネギ」としますか? ~「葱(ねぎ)」、「葱(そう)/青い」、「葱葱(そうそう)/青々と茂るさま」等の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。