のっぽさんの勉強メモ

主に中学の学習内容と、それに絡みそうな色んなネタを扱っています。不定期更新ですー。あ、何か探したいことがある場合は、右の「検索」や記事上のタグやページ右にある「カテゴリー」から関係ある記事が見られたりします。

1/19 歴+美:「名画(めいが)」の裏には「借金(しゃっきん)」が!? ~遊び人「尾形光琳(おがた・こうりん)」の話~

 歴史+美術の話ー。
 「名画を描くために…」というより、関係なく借金*1してたっぽいですが。


 歴史・美術の教科書*2などにも作品がよく載っている、
 江戸時代*3の画家「尾形光琳(おがた・こうりん)」についての話です。


(※本記事中、人名等敬称略)


 前置き。
 昨日「リンパ」*4という言葉を扱ったときに、
 「琳派(りんぱ)」という、芸術の流派(りゅうは)も少し紹介しましたが。
 今日はその名前に関わる人物「尾形光琳(おがた・こうりん)」の話を。


 まず尾形光琳(おがた・こうりん)」は、江戸時代の画家(がか)・工芸家(こうげいか)ですね。
 手がけた作品は、絵*5なら『燕子花図(かきつばたず)』など、工芸も『八橋蒔絵螺鈿硯箱(やつはしまきえらでんすずりばこ)』などと色々あり、
 これらはよく日本史や美術の教科書に載っていたりします。
 絵の背景が「金色(きんいろ)」だったりするので、印象に残りやすいかもですね。
 ちなみに上で紹介した「琳派(りんぱ)」も、元々「光琳派(こうりんは)」などと呼ばれていたようです。


 で、筆者は光琳の名画(めいが)…すごい絵を見て、
 「こんなに金色を使うとは、お金持ちだったのかな?」*6と思っていたのですが。
 調べてみると、どうもそういう訳でもなさそうです。


 というのも、光琳がお金*7に困ってる感じのエピソードが多く見つかりまして。
 例えばWikipediaによれば、
 光琳は遊び人*8で、相続した莫大な財産を使い果たした」とか、
 「弟からも借金(しゃっきん)していた」みたいなことが書いてありました。


 ついでに光琳は「40代になって画業に身を入れ始めた」らしいのですが、
 これは「お金に困ったのと、妻たちへの見栄(みえ)と考えられている」そうです。
 …なんか割とアレ(残念)な感じのエピソードですね。


 それらを知って光琳の名画(の金色)を見ると、
 「『名画』の裏には『借金(しゃっきん)』(のイメージ)が!?」という感じもしますね。


 まあ、それぞれの作品を描いたタイミングは不明なので、
 お金を稼いでから、金色を使っていたのかもしれませんが。
 それでも「こんなに金色使ってて大丈夫だったのかな…」とちょっと心配になったりもします。



 
 まあ光琳のお金事情はさておき。


 筆者はあまり美術に詳しくないので、
 光琳の絵のように、教科書に載っている作品を見ても、
 つい「見事だなー」とかで終わってしまうことも多いですが。
 でも本当は、光琳のように作者が個性的だったり、裏に色んな話があるかもですね。


 なので、テスト勉強とかで「作品名が覚えにくいなー」と思ったら、
 その裏にある話を調べてみると、ちょっと覚えやすくなるかも?
 上手くすれば何回も見た作品が、また違ったイメージで見えてくるかもですね。



 まあそんな感じで~。




追記
 光琳のフォローもしておくと。
 Wikipediaによれば、光琳が画業…絵の道で頑張り始めたのは、
 家が貸したお金(相手のとっての借金)を回収できずに、経営が傾き収入が落ちたのを、絵で補うという意味もあったようです。
 家が大名*9相手にお金を貸す「大名貸し」も行っていたらしいのですが、「貸し倒れ(かしだおれ)」になった…つまり回収できなかったケースが相次いだようですね。
 …まあ光琳が稼いだお金を家に使ったか、それとも自分に使ったのかはちょっと不明ですが。

 しかし逆に言えばこの借金回収が上手くいっていたら、
 光琳も画業に身を入れず、現在の色んな「名画」も存在しなかったかもしれません。
 なのでその意味でも、「名画の裏には借金(回収ビジネスの失敗)が!」とも言えるかもしれませんね。




◆用語集
尾形光琳(おがた・こうりん):1658年 - 1716年
 江戸時代の画家・工芸家
 色んな物に色んな大きさの絵を描き、また絵だけでなく、色んな作品を作ったようだ。
 ちなみに今回紹介した『燕子花図(かきつばたず)』と『八橋蒔絵螺鈿硯箱(やつはしまきえらでんすずりばこ)』は、どちらも昔の物語『伊勢物語(いせものがたり)』*10の内容に関係しているようだ。『伊勢物語』は中学の国語で学ぶこともあるので、関係する箇所と比べてみるのも楽しいかもしれない。
 ちなみに本文で「弟からも借金していた」という話を書いたが、この弟の「尾形乾山(おがた・けんざん)」も有名な陶工(とうこう)*11であるとのこと。
 関連人名等:「葛飾北斎(かつしかほくさい)」*12


尾形乾山(おがた・けんざん):
 関連用語:「陶芸(とうげい)」


琳派(りんぱ):
 芸術上の流派*13の一つ。
 日本史の用語集では「光琳派」という部分が強調されていたが、
 Wikipediaでは「本阿弥光悦(ほんあみ・こうえつ)*14俵屋宗達(たわらや・そうたつ)が創始し、尾形光琳・乾山兄弟によって発展、酒井抱一(さかい・ほういつ)・鈴木其一(すずき・きいつ)が江戸に定着させた」とされていた。
 どこに注目するかで「創始者」は変わるかもしれないが、「琳派」という名前に強く関わっているのはとりあえず尾形光琳ではありそうだ。
 しかしどうも説明を見ていると、他の流派とは違って直接の弟子関係ではなく、時間や身分の離れた人々が切れ切れに受け継いでいった感じらしい。
 またこの流派とか人物の説明を見ると、「~~に傾倒(けいとう)し…」という言葉が多い。
 傾倒(けいとう)とは「強く憧れを抱く」みたいな感じなので、 
 ざっくり言うと「あの人の絵すごいな!」と憧れて、(時間・場所関係なく)影響を受けた関係が続いてったのが、「琳派」みたいな感じかもしれない。


・『燕子花図(かきつばたず)』:
 尾形光琳による屏風(びょうぶ)*15の作品。
 金色の背景に、燕子花(かきつばた)の青い花が群生している様子が描かれている。
 Wikipediaによれば、国宝(こくほう)に指定されているとのこと。
 

・『八橋蒔絵螺鈿硯箱(やつはしまきえらでんすずりばこ)』:
 尾形光琳による硯箱(すずりばこ)の作品。
 黒をベースにして、金色や白、その他(灰色?)で描かれている。
 ちなみにこちらにも「燕子花(かきつばた)」の花が描かれているようだ。
 またこちらも「国宝」に指定されているとのこと。
 だが、大きさも描く対象も違うのに、どちらも国宝になっているのは、かなりすごい気がする。
 関連用語:「螺鈿(らでん)」*16、「螺鈿細工(らでんざいく)」、「細工(さいく)」


・蒔絵(まきえ):
 Wikipediamによれば「漆器(しっき)*17の表面に漆(うるし)で絵や文様(もんよう)、文字などを描き、それが乾かないうちに金や銀などの金属粉を「蒔く(まく)」ことで器面(きめん)に定着(ていちゃく)させる技法、もしくはその技法を用いて作られた漆器」、とのこと。
 作品にもよるが、黒い漆に金や銀、という色合いが多い印象。
 関連用語:「蒔」*18、「金箔(きんぱく)」*19、「箔(はく)」、「箔押し(はくおし)」
 関連記事:『絵を表す外国語セブン』*20


・硯箱(すずりばこ):
 関連用語:「箱(はこ)」*21、「容器(ようき)」*22
 関連記事:『容器に関する英語セブン』*23


・硯(すずり):
 文房具(ぶんぼうぐ)*24の一種。
 関連用語:「墨(すみ)」*25、「書道(しょどう)」、「習字(しゅうじ)」、「書写(しょしゃ)」



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*1:「借金(しゃっきん)」や「収入(しゅうにゅう)」については 12/20 社会:入るお金<出ていくお金、だと…!? ~「収入(しゅうにゅう)」と「支出(ししゅつ)」の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。

*2:「教科書(きょうかしょ)」については 12/1 英語:英語の「比較級(ひかくきゅう)」・「最上級(さいじょうきゅう)」って便利だね、という話 - のっぽさんの勉強メモ を参照。

*3:日本の時代の一つ「江戸時代(えどじだい)」については 12/7 英語:「I am」でたらめ翻訳(ほんやく)のお遊び - のっぽさんの勉強メモ を参照。

*4:「リンパ」については 1/18 理+国他:「リンパ」を漢字で書けますか? ~「lympha(リムファ)」、「lymph(リンフ)」、「淋巴(りんぱ)」の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。

*5:「絵(え)」については 4/18 数学:図形の話メモ/点とか線とか - のっぽさんの勉強メモ を参照。

*6:というのも、この時代、金色を表現するために実際の金を混ぜ込んだり、金箔(きんぱく)を使ったりするので。今でもすることはありますが、価格は違うでしょうし、純金の代わりの安い原料もありそうですね。

*7:「お金」については 4/9 社会:お金と価値と愛(あい)の話 ~give me money, give me love~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。

*8:「遊び人(あそびにん)」については 3/9 中+国:「遊び人(あそびにん)」は「ホワホワ」ですか? ~「花花公子(ホワホワゴンズ)」の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。

*9:「大名(だいみょう)」については 2/1 歴史:鋭い眼光、「大目付(おおめつけ)」!? ~江戸時代の監視役と、剣豪「柳生宗矩」の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。

*10:伊勢物語(いせものがたり)』については 7/22 国+英:「筒(つつ)」に関する話メモ ~「pipe(パイプ)」、「tube(チューブ)」、「cylinder(シリンダー)」~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。

*11:「陶工(とうこう)」や「陶芸(とうげい)」については 5/20 生+国他:「ろくろ回しのポーズ」って何ですか? ~陶芸(とうげい)の「ろくろ台」と、色んな「ろくろ(轆轤)」の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。

*12:江戸時代の浮世絵師「葛飾北斎(かつしかほくさい)」については 1/14 歴+美:(だいたい)年に1度は引っ越しする人!? ~「葛飾北斎(かつしかほくさい)」の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。

*13:「流派(りゅうは)」については 7/11 生+歴:「刃物(はもの)」を研ぐ(とぐ)にも「流派(りゅうは)」あり! ~研ぎ師(とぎし)と「藤阿彌神古流(ふじあみしんこりゅう)」(テレビで見た紹介ネタ)~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。

*14:江戸時代初期の書家・芸術家「本阿弥光悦(ほんあみ・こうえつ)」については 1/20 歴+美:「筆(ペン)」にも「刀(けん)」にも強い人!? ~芸術家「本阿弥光悦(ほんあみ・こうえつ)」の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。

*15:「屏風(びょうぶ)」については 7/19 生+英他:「衝立(ついたて)」も「簾(すだれ)」も「スクリーン」ですか? ~「screen(スクリーン)」、「画面(がめん)」、「家具(かぐ)」の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。

*16:螺鈿(らでん)」や「螺鈿細工(らでんざいく)」、「細工(さいく)」については 3/19 国+美:色んな「細工(さいく)」の話! ~飴細工、ガラス細工、寄木細工~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。

*17:漆器(しっき)」や「漆(うるし)」については 7/28 理科:きれいな見た目にご用心!? ~「めっき」と「騙し(だまし)」の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。

*18:漢字の「蒔」については 6/10 国語:足し算漢字クイズ! ~「くさかんむり」編~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。

*19:「金箔(きんぱく)」、「箔(はく)」、「箔押し(はくおし)」については 6/5 国+理:「金銀」で「文字」は作れますか? ~「箔(はく)」と「箔押し(はくおし)」の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。

*20:記事『絵を表す外国語セブン』については 1/22 美+諸外:「絵(え)」を表す外国語7つ+α! ~今週の外国語セブン~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。

*21:「箱(はこ)」については 5/22 体育:「拳(こぶし)」と「箱(はこ)」の関係!? ~ボクシングの話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。

*22:「容器(ようき)」については 7/14 国+英:「内容(ないよう)」に関する話メモ ~「コンテンツ」と「コンテナ」~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。

*23:記事『容器に関する英語セブン』については 11/1 英+生:「容器(ようき)」に関する英語7つ+α! ~今週の英語セブン~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。

*24:「文房具(ぶんぼうぐ)」については 3/29 学習:お気に入りの「文房具(ぶんぼうぐ)」を買いに行こう - のっぽさんの勉強メモ を参照。

*25:「墨(すみ)」や「書道(しょどう)」、「習字(しゅうじ)」、「書写(しょしゃ)」については 9/8 国+体+英:色んな「stroke(ストローク)」/漢字の「一書き(ひとかき)」、水泳の「一掻き(ひとかき)」!? - のっぽさんの勉強メモ を参照。