生活+英語+社会+国語の話―。
「シチューを作ろうとして…おでんが誕生しました」的な話ではありません。
野菜などを色々煮込んだ、和風っぽい料理「おでん」と、
「煮込み(にこみ)」に対応する英語の一つ、「stew(ステュー)/シチュー」*1の話を。
前置き。
まず「おでん」というと、こんにゃく(蒟蒻)や野菜(やさい)などを煮込(にこ)んだ料理ですね。
他にも具材(ぐざい)は「大根(だいこん)」や「もち巾着」、「はんぺん」*2など色々あり、
特に冬(ふゆ)の寒い時期に人気なイメージです。
コンビニなどでも売っているほど、身近な料理でもありますね。
ちなみにWikipediaによれば、
「おでん」はかつて「田楽(でんがく)」という料理全体を表す語だったらしいですが。
しかし江戸時代頃から、その中の「煮込み田楽(にこみでんがく)」が、「おでん」と呼ばれるようになったようです。
そのため今の「おでん」は「煮込み田楽」ということになりますね。
(そして今「田楽」と呼ばれている物は、かつての「焼き田楽」らしいです)
さて、「煮込み田楽」こと「おでん」の味付け(あじつけ)は、
大体「和風(わふう)」というイメージかと思いますが。
しかし英語にすると、一気に「洋風(ようふう)」に思えるかもです。
というのも、「シチュー(stew)」という語が関わったりもするからですね。
どういうことかというと。
まず和英辞典で「煮込み(にこみ)」という語を調べると、
対応する英語に「stew(ステュー、スチュー)」が出てきたのですが。
英和辞典によればこの「stew(ステュー)」は、
いわゆる料理の「シチュー」を指す語ですね。
で、加えて「煮込み」を国語辞典で調べてみると、
その例語に「煮込みおでん」というものが出てきました。
これと上記の「煮込み田楽→おでん」の話や、そもそものおでんの作り方から考えると、
改めて「おでん」は「煮込み料理」…「煮込み」の一種と言えそうです。
しかし「おでん(煮込み田楽)」を「煮込み」の一種と考えてから、
上に書いた「煮込み=stew(シチュー)」の話を見ると、
「『おでん(煮込み田楽)』は『シチュー(stew)』の一種だった…!?」って気分になりますね。
…呼び方を変えただけなのに、味つけがガラッと変わってそうですね。
※
ちなみに、上で「おでんの味は和風っぽい」と書きましたが、
ネットで調べると「洋風おでん」のレシピなども色々見つかりました。
その「洋風おでん」中には、洋風煮込み料理「ポトフ」っぽいものもあったので、
それこそ日本でイメージされる(洋風)「シチュー」に近づいている感じがしますね。
その意味では「おでん」の味が、まさに「シチュー」っぽくなっている場合もあるかもです。
まあどんな味が好きかは、人によるかと思いますが。
でも「おでん」や「シチュー(stew)」を作る時、
「なんか味に変化が欲しいな…」と思ったら。
また違う「煮込み(stew)」料理っぽくしてみる…というのもアリかも?
まあそんな感じで~。
◆用語集(※編集上の都合により、過去記事より一部移植)
・おでん:
関連用語:「からし」*3、「タコ(蛸)」*4、「はんぺん」、「がんもどき」*5
・煮込み(にこみ):
関連用語:「シチュー」、「ビーフシチュー」、「肉じゃが」
*1:「stew(ステュー)」や「シチュー」、「ビーフシチュー」、「肉じゃが」については 11/25 社会:「失敗(しっぱい)」から生まれるものの話 ~肉じゃが、アメシスト、セレンディピティ~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*2:「はんぺん」については 9/23 生+国:「はんぺん」を漢字で書けますか? ~「はんぺん」の漢字や由来の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*3:おでんでよく使う調味料「からし」については 10/6 生活+英語:「マスタード」と「和からし」についての話! - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*4:「タコ(蛸)」については 10/31 英語:タコ/悪魔の魚、天使の魚 - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*5:「がんもどき」については 9/24 生+ポル:「がんもどき」は「鳥(とり)」で「竜(りゅう)」ですか? ~「がんもどき」や「飛竜頭(ひりょうず)」などの話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。