国語+英語+こころ+ゲームの話―。
「筆者は、そこまでゲーム脳に…」と思われそうなタイトルですが。
悲(かな)しみと喜(よろこ)びが順番(じゅんばん)に来る、
または同時に来る…的な意味の語、「悲喜こもごも(ひきこもごも)/悲喜交交」と。
そこに含まれる語、「こもごも(交交)/by turns(バイ・ターンズ)」の話を。
遅くなってしまったので簡単に。
前置き。
昨日「こもる」*1という語について書いてから、
「悲喜交交(ひきこもごも)」という言葉を思い出したので、その話を。
※
まず「悲喜交交(ひきこもごも)/悲喜交々」とは、
悲(かな)しみや喜(よろこ)びが次々(つぎつぎ)と、順(じゅん)にやってくる…
あるいは、同時にやってくる意味の語らしいです。
(以下、書きやすさのために「悲喜こもごも」で表記)
ちなみに国語辞典によれば「交交(こもごも)/交々」は、
元々「互(たが)いに入(い)れ替(か)わる意味」と書いてありました。
その意味では「悲喜こもごも」は「悲しみと喜びが交互に、順番に来る」意味っぽいですが。
ただ和英辞典やネットを見た感じでは、
「ほぼ同時に悲しみと喜びが来て、混乱(こんらん)してしまう」という意味でも、よく使われているようですね。
(なのでざっくり両方の意味がある、という感じかと思います)
で、そんな「悲喜こもごも」は、哲学(てつがく)っぽいですし、
深みのある、「まじめ」な言葉にも聞こえるのですが。
しかし英語にすると、意外と「ゲーム」っぽくも聞こえるかもしれません。
というのも、「ターン」という語が絡んだりもするからですね。
まず和英辞典によれば、上記の「こもごも(交交)」は、
(「かわるがわる」という意味合いで)
英語で「by turns(バイ・ターンズ)」ともいうようです。
英和辞典によれば「turn(ターン)」は「順番」の意味、
そして「by(バイ)」は「~で」といった意味があるので、
「順番(turn)で(by)」→「順番で(by turns)」
→「(順番でかわるがわる)こもごも(交交)/by turns」って感じですかね。
なので「こもごも」が「by turns」なのはなるほど、という感じなのですが。
…しかし「ターン」というと、RPGやカードゲームなど、
それこそゲームで、よく聞く語でもありますね。
なので「こもごも=by turns」とイメージしてから、
「悲喜こもごも(悲喜交交)」という語を見ると。
「『悲喜(悲しみと喜び)』が『ターン』順でやってくる…!?」とか、
「(悲しみの)『次のターン』には、『喜び』が来るの…!?」
って(ゲームっぽい)感じもして、ちょっと面白いですね。
※
まあ、「悲しみ」の後に必ず「喜び」が来るかは分かりませんし、
来るとしても、「悲しみのターン」の方が長い…という可能性もあるのですが。
でも筆者などはゲームが好きなので、
「悲しみの後には、『いつか』喜びが来る…」という言葉より、
「『次のターン(turn)』に『喜び』が来ますよ」と聞くと、
なんかちょっと面白くて、楽しくなる気もします。
なのでもし、「今しんどいんで、せめて表現だけでも変えたいな…」と思ったら。
「今は『悲しみ』の『ターン』っぽいから、耐えるか…」とか、
「『喜び』が来たぞ!『悲喜こもごも』の『ターン』説は本当だったのか…!?」
なんてゲームっぽく考えてみても、面白いかもですね。
まあそんな感じで~。
追記
ちなみに手元の国語辞典・漢和辞典では「悲喜こもごも」に関して、
「悲喜こもごも至る(ひきこもごもいたる)」という表現が見られました。
全部漢字だと「悲喜交交至る」等になるわけですが…知らないと初見(しょけん)で読むのは難しそうですね。ちなみに「ひきこうこうしる」ではない
◆用語集
・悲喜こもごも/悲喜交交:
・こもごも(交交):
似てる語:「菰(こも)」*2【敷物】、「コモ/マコモ」【植物】
*1:「こもる(籠もる)」については 5/20 国+こころ:この「籠(かご)」に「心(こころ)」は「籠(こ)もって」ますか? ~「籠(かご)」と「籠もる(こもる)」の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*2:敷物の「菰(こも)」や、植物の「コモ/マコモ」については 5/22 生+国他:「菰(こも)」の原料(げんりょう)は「菰(こも)」ですか? ~敷物(しきもの)と植物(しょくぶつ)の「菰」の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。