社会+英語+国語+生活+こころの話ー。
「このアニメは、生まれつき身体が弱くて…」的な話ではありません。
何かが健全(けんぜん)*1でない…正しくない様子を表すため、
アニメとかマンガ等の作品に使われたりもする語、「不健全(ふけんぜん)」と。
それに対応する英語の一つ「unhealthy(アンヘルシー)」、
そしてその他の意味、「病弱(びょうじゃく)」などの話を。
前置き。
昨日の記事では「健全(けんぜん)」について書いきましたが。
その後、逆の語「不健全(ふけんぜん)」が気になったので、調べてみました。
※
まず「不健全(ふけんぜん)」とは、健全(けんぜん)じゃない、という意味の語ですね。
国語辞典を見た感じ、「からだ・精神に悪い影響(えいきょう)」があるとか、
「公正(こうせい)を欠(か)いていたり、不正(ふせい)であったり」する様子(ようす)のようです。
なので、何かが「良くない、正しくない様子」って感じですかね。
で、昨日は「健全」が英語で「healthy(ヘルシー)」ともいうと書きましたが。
和英辞典によれば「不健全」は「unhealthy(アンヘルシー)」ともいうようです。
(他にも対応する英語はあるので、ご注意を)
まさに「un(アン)/不*2」+「healthy(ヘルシー)/健全」→「unhealthy/不健全」という感じですね。
そんな訳で筆者は、
「『不健全』≒『unhealthy』」ということには納得(なっとく)だったのですが。
しかし調べてみると「unhealthy」には、個人的に意外(いがい)な意味もありました。
というのも、英和辞典によれば
「unhealthy(アンヘルシー)」には「病弱(びょうじゃく)な」という意味もあるらしいからですね。
勝手なイメージですが、筆者は、社会で「不健全」とされるものは、
「良くない影響を与えるパワーが『強い(つよい)』」とか、
「刺激(しげき)が『強い』から、社会に速く広まりそう」なんて思っていたりしました。
(「不健全」は「有害(ゆうがい)」と言い換えられたりもするので、そちらの印象もありますね)
なので、上記のように「unhealthy(アンヘルシー)/不健全(な)」という語が、
「病弱な」という形で「弱い(よわい)」という語に関わっているのは、ちょっと意外だった訳です。
(まあよく考えてみると「健全」は「健康(けんこう)」*3的な意味もあるので、
「不健全」→「不健康(ふけんこう)」→「病弱」と考えると、なるほどなのですが)
そう考えると例えば、教育(きょういく)系の話でありそうな、
「この『アニメ』は『不健全』です!」*4という言葉は、
「このアニメは『アンヘルシー(unhealthy、不健全』です!」と言い換えられるかもですが。
でも「unhealthy(アンヘルシー)≒病弱」というイメージでこの言葉を聞くと、
ちょっと「この『アニメ』は『病弱(unhealthy)』なの…!?」という気分にもなりそうですね。
強さ/弱さのイメージがガラッと変わっていそうなのが面白いです。
※
ところで、何が「健全」で「不健全」か…というのはとても難しいですが。
しかしその難しさを利用して、
誰かが「悪用(あくよう)」してしまうことも、ありえるかと思います。
例えば、筆者のようなワガママな人が、国のトップとかになってしまうと。
単に自分の気に入らない「もの」や「人」を、
「これは社会にとって『不健全(unhealthy)』だ!」とか、
「彼は『病弱(unhealthy)』だから、休(やす)んでもらったよ…」と、嘘(うそ)をついて遠ざけたりしそうです。
まあ、筆者などがトップになる…ということはまず無いでしょうが。
でも、もしそんな風なことがあれば、
「おめーの方が『不健全(unhealthy)』じゃねーか!」と早めにツッコめると、
ちょっと「健全(healthy)」な社会に、近づいたりするかも?
まあそんな感じで~。
◆用語集
・不健全(ふけんぜん):
関連用語:「健全(けんぜん)」、「BPO(ビーピーオー)/放送倫理・番組向上機構」*5、「CERO(セロ)」、「暴力(ぼうりょく)」*6、「嘘(うそ)」*7、「犯則(はんそく)」*8、「不正(ふせい)」*9、「犯罪(はんざい)」、「倫理(りんり)」*10、「道徳(どうとく)」*11、「正義(せいぎ)」*12、「腐敗(ふはい)」*13
関連記事:『正義を表す外国語セブン』*14
・unhealthy(アンヘルシー):
関連用語:「health(ヘルス)」「healthy(ヘルシー)」
・有害(ゆうがい):
*1:「健全(けんぜん)」や「healthy(ヘルシー)」については 7/2 社+英他:「政治(せいじ)」を「ヘルシー」にできますか? ~「healthy(ヘルシー)/健康(けんこう)によい、健全(けんぜん)な」の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*2:「不(ふ)」については 11/8 国語:対義語(たいぎご)/「非(ひ)・不(ふ)・未(み)」を国語の入り口にする!? ~打消しで作った対義語(たいぎご)の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*3:「健康(けんこう)」や「health(ヘルス)」については 8/20 英+生:「健康(けんこう)」の形は一つじゃない!? ~癒し(heal)と健康(health)と完全(whole)~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*4:ここでアニメを挙げたのには特に理由はなく、本やマンガ・ゲーム、舞台や絵画などの芸術作品その他についても、言われる可能性はありそうです。何かしらの表現(ひょうげん)作品については、昔からよく議論(ぎろん)になっている印象です。
*5:「BPO(ビーピーオー)/放送倫理・番組向上機構」や「CERO(セロ)」については 4/26 ゲーム+社:ゲーム選びの参考に! ~「CERO(セロ)」の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*6:「暴力(ぼうりょく)」については 9/11 社+英他:「テロ」と「恐怖(きょうふ)」の話 ~「テロリズム(terrorism)」と「terror(テラー)/恐怖」~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*7:「嘘(うそ)」については 2/25 国+英:「皮肉(ひにく)」についての話 ~「皮肉」と「イロニー(irony)」、「アイロニー」~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*8:「犯則(はんそく)」については 8/17 体+英他:「ファウル」は「邪悪(じゃあく)な」ものですか? ~「ファウル」と「foul(ファウル)/邪悪な」の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*9:「不正(ふせい)」、「犯罪(はんざい)」については 12/19 社会:都市運営ゲーム/「不正(ふせい)」編ですよ、市長! - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*10:「倫理(りんり)」については 9/21 ゲーム+理+社:「寿命(じゅみょう)」と「倫理(りんり)」の話 ~犠牲の魔術~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*11:「道徳(どうとく)」については 12/3 社会:アダム=スミスと道徳(どうとく) - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*12:「正義(せいぎ)」については 2/15 社会:「罰(ばつ)」と「やる気」の話 ~「叱る」ことの難しさの話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*13:「腐敗(ふはい)」については 7/4 国+英他:「腐敗(ふはい)」と「腐敗(ふはい)」は違いますか? ~「decay(ディケイ)」と「corruption(コラプション)」、物理と精神の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*14:記事『正義を表す外国語セブン』については 7/5 社+諸外他:「正義(せいぎ)」を表す外国語7つ+α! ~今週の外国語セブン~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。