生活+国語+社会の話―。
会社の社員(しゃいん)に関わる仕事を指す①「人事(じんじ)」と、
人にできる範囲(はんい)のことを指す②「人事(じんじ)」の話を。
ことわざ「人事(じんじ)を尽(つ)くして天命(てんめい)を待(ま)つ」を参考にしつつ。
遅くなってしまったので簡単に。
前置き。
昨日は「確定申告(かくていしんこく)」について書いたこともあり、
同じように会社などでよく聞きそうな言葉、
「人事(じんじ)」が気になって調べてみました。
※
まず普段①「人事(じんじ)」というと、会社(かいしゃ)で社員(しゃいん)に関する仕事をする人・役目、という印象ですね。
例えば社員の仕事の分担(ぶんたん)や、新しい人の採用(さいよう)、
また給料(きゅうりょう)に関わる仕事をするイメージです。
ところで、「人事(じんじ)」が関わる言葉として、
「人事(じんじ)を尽(つ)くして天命(てんめい)を待(ま)つ」という、ことわざもあります。
意味は、できる限りの努力をして、あとは運命・運勢に任せる(様子を見る)みたいな感じですね。
ここでも「人事(じんじ)」という言葉が出てきていますが、
会社の「人事」とは違う雰囲気の言葉っぽいので、気になって調べてみました。
まず国語辞典によれば、「人事(じんじ)」には、
上に書いた会社などの①「人事」的な意味の他に、
②「人間(個人)としてなしうる事柄」という意味も載っていました。
つまり「(その)人ができる範囲(はんい)のこと」という感じですね。
そして、上に書いた「人事を尽くして天命を待つ」は、
この意味の②「人事(人ができる範囲(はんい)こと)」の関連語のようです。
ちなみに漢和辞典では「人事」に「人間わざ」という意味も載っていたので、
「人ができる範囲のこと」が②「人事(人間わざ)」、
逆にそれを超える「(普通の)人ができないこと」が、「神業(かみわざ)」や「神がかり」って感じかもですね。
よって①「人事(社員についての仕事)」と②「人事(人ができること)」は違い、
「①『人事(じんじ)』と②『人事(じんじ)』は違う!」と言えるかもです。
…冷静に考えると当たり前かもですが、でも漢字も読みも同じですね。
日本語を学んでいる海外の方からすると、すごくややこしいかもです。
※
さて、上記のように①「人事」と②「人事」は違い、
会社の①「人事」と、ことわざ「人事を尽くして天命を待つ」も、
特に関係なさそうに見えるのですが。
ただ最近、少子化が進んでいる話も聞きますし、
ある会社に「そもそも新人や就活生(しゅうかつせい)が来てくれるか」というのは、一つの大きな問題かもですね。
もちろん人を呼ぶ努力はするかもですが、どうにもできないことは多そう…という意味で、
それこそ会社でも「人事を尽くして天命を待つ」みたいな所は、あるかもですね。
どうすればいいのか、というのは難しい問題ですが。
ただ多分、「既にいる社員の扱いが悪い」会社はみんな避けそうなので、
とりあえず①「人事(社員に関わる仕事)」について、
②「人事(人にできる限りの努力)」を尽くしておくことは、大事かも?
まあそんな感じで~。
追記
ちなみに国語辞典によれば、「人事(ひとごと)」という言葉もあるようです。
これはいわゆる、自分には関係の無いこと…「他人事(ひとごと)」のことですね。
国語辞典によれば、伝統的には「他人事」表記で、「人事」と書くこともある、という感じらしいです。