数学の話ー。変幻自在とか言いつつサブタイでオチてます。すみません。
比例*1とかで習う「変数(へんすう)」の話です。
文字式「x(エックス)」をメインに。
中1の「比例(ひれい)」で習う所ですが、
色んな値を取る数字*2を「変数(へんすう)」と言います。
つまり「変わる数字」ってことです
(逆に具体的なある数字を定数(ていすう)と言います。定まった数ってことです)
変数は「x」や「y」とかの「文字式(もじしき)」で表すことが多いですね。
色んな場合によって中身が変わる数字です。
その意味では数字と言うより、
「中に何が入ってるか分からないびっくり箱」を想像してもらうといいかもです。
で、その変数がとる値の範囲を「変域(へんいき)」といいます。
「変化する領域(の範囲)」ってことですな。
変数はすごく色んな数字が入るのですが、問題によっては限界があったりします。
どういうことか以下で説明します。
例えば40人のクラスに「明日サッカーやろうぜ!」と呼びかけたとします。
で、人数分ユニフォームが要るとしましょう。
この場合は「ユニフォームの必要数=参加するメンバーの数」です。
でも実際にはどれくらい参加してくれるか分からないですね。
40人全員が参加するかもしれないし、0人かもしれない。
かと言って0人~40人の場合の式を、いちいち40個作るのは面倒です。
なので「分からないけどこれくらい参加するかも?」というのをいったん保留して、
これをxとかyとかの文字で表すことにします。すると
y=x
という感じになりますね。
ここでのxやyが上で書いた「変数」になります。
「場合によって中身の数字は変わるよ」ということであり、
「分からんからいったん文字で置くよ」ってことです。
ちなみにもし予備のために、ユニフォームを「1人2個」にすると
「ユニフォームの必要数=参加するメンバーの数×2」になるので
y=x×2
になりますが、かけ算は略されるので
y=2x
と書かれることが多いです。
で、この場合の「変域」について考えてみましょう。
「xは無限にどんな数字にでもなれる!」と言いきりたいところですが、
この場合はクラスは40人ですから、頑張っても参加できるのは最高40人です。
(呼びかけ人は含まないとします)
で、誰も来てくれない場合、最低0人ということになります。
なのでこの場合、変数xは、必ず「最低0人、最高40人」の間のどれかの数字になります。
不等号*3を使って表すと
0≦x≦40 (xは0以上40以下)
ということになります。これがxの変われる範囲、つまり「変域」ということになるわけです。
何もない状態だとxには基本どんな数字でも入りますが、
問題によってその範囲は決められているわけですね。
なので「xとか何でも入るじゃん!何を入れればいいか分かんねーよ!」って時は
慌てずに問題文を読み直すと、結構ヒントがのってたりします。
「50人のクラスで~」「標高1000mの山が~」とか書いてある場合は
それが変域の最大値であることも多いですね。
怪しげな数字には要注意。
カメレオンみたいに変幻自在の「X」。でもその限界は大体あります。
ヤツを追いつめるつもりで問題(現場)の中に数字(ヒント)を探してみると、
ちょっと探偵*4ものみたいで面白いかもしれません。
まあそんな感じで~。
追記
比例やxに限らず「問題文によって限界が決まってるパターン」は結構多いです。
例えば「1000円で買い物をする」問題では、1000を超える合計はアウト。
その意味で現実の問題では「マイナス」の答えは出にくいですね。
「1000円借金*5しました」ならまだあり得るのですが
「クッキーがマイナス1個になりました」ってのはまあないですからね。
ないものは食べられません。物理的に。
ちなみに「2次関数」*6の問題だと こういう「現実にあり得ること/ありえないこと」を利用して2つある答えを1つに絞る……ってこともやるので、覚えておいてもいいかもしれません。
追記2
本文でx(エックス)を「何が入ってるか分からない箱」と書きましたが
その意味では「□」と捉えてもらうと分かりやすいかもしれません。
つまり「y=2x」は「2×□=答え」であり、
「10=2x」であれば「2×□=10」位の意味なわけです。
例えば『小学生のための考える算数 式と数量関係』にも□を使った計算は出てきますが、役割が「x」ととても似ています。
なので「xが本当にわからん」と言う方は小学校の算数をちらっと見てみると
意外と参考になるかもしれません。
ちょっとズレますが、□を使って遊んでいる過去記事は
2/26 学習:自由問題・□の魅力/100点と101点 - のっぽさんの勉強メモ
4/8 数学:数学ファンタジー ~□を使って簡単作問(さくもん)!~ - のっぽさんの勉強メモ
などがありますので、よろしければそちらもご覧ください。
◆参考文献
・陰山英男,2008,『小学生のための考える算数 式と数量関係』,学習研究社
◆用語集
・変数(へんすう):
意味は本文参照。
英語では「variable(ヴァリアブル)」*7。
動詞*8の「vary(ヴァリー)」が「変わる」という意味なので
「vary+able*9(エイブル/可能な、起こりうる)」→「変わりうる」と思われる。
似た言葉に「valuable(ヴァリュアブル/貴重な)」があるが、そっちではない。
数学英語では「値(あたい)」が「value(ヴァリュー)」なので間違えやすいかも。
「xとかよく分かんねーよ!」という学生も多いと思うが、
よく考えてみるとxの側もどんな数字を入れられるかは分からないわけで。
色んな場合に応じてyとの関係性を調整しなきゃいけないと考えると、
何と言うかお疲れ様です。
関連用語:「プログラム」*10、「変化(へんか)」*11、「変形(へんけい)」*12、「○○個分」*13、「乱数(らんすう)」*14、「DPS(ディーピーエス)/Damage Per Second」*15、「未知(みち)」*16
関連記事:『変化を表す外国語セブン』
・変域(へんいき):意味は本文参照。
英語では「domain(ドメイン)」。ちなみに「domain」には領地(りょうち)、領土(りょうど)*17、分野(ぶんや)などの意味もある。
カタカナ語のネット用語「ドメイン」は、「インターネットとかでグループを識別するための名前」のことらしい。
どうでもいいが「領土(ドメイン)」と書くと中二な感じがする。いい意味で。
「俺の『領土(ドメイン)』から逃げられると思うな……!」とか言うともう確定な感じがする。
とりあえず変数は変域からは逃げられないので、間違いではない。
こんなサディスティックな変域はアレだが。
・カメレオン:
周囲の景色に合わせて色を変える動物*18。爬虫類*19。
「変装・だまし撃ち」のイメージがあるので、ゲームや漫画で「カメレオンの能力」は忍者*20やスパイ的に使われることが多い気がする。
これに関する用語として「光学迷彩(こうがくめいさい)」がある。SF*21でもよく出てくるので調べてみても面白いかも。
関連用語:『けものフレンズ』*22
・光学迷彩(こうがくめいさい):
SFなどでも出てくる技術の一つ。何かの表面に映像を映し出すことによって、周囲と同化(どうか)する技術。
ゲーム『メタルギアソリッド』*23や『ACE COMBAT X Skies of Deception』*24とかにも出てくる。
関連用語:「ステルス」*25、「潜入(せんにゅう)」*26、「彩(さい)」*27
*1:「比例(ひれい)」については11/30 数学:比例(ひれい)・反比例(はんぴれい)ってよく分からんよ - のっぽさんの勉強メモも参照。
*2:「数字(すうじ)」については1/5 数学:なぜ「1+1=2」ができるのか(雑考) - のっぽさんの勉強メモを参照。
*3:「不等号(ふとうごう)」については 1/6 数学:不等式(ふとうしき)/違いを見せつけるゲーム! - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*4:「探偵(たんてい)」については 1/27 数学:方程式2/犯人を追い詰めろ! ~数学迷宮入り未遂事件~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*5:「借金(しゃっきん)」については 12/20 社会:入るお金<出ていくお金、だと…!? ~「収入(しゅうにゅう)」と「支出(ししゅつ)」の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*6:「関数(かんすう)」については 1/28 数+英:X軸・Y軸(じく)/奴らの名はアクシス! - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*7:英語の「variable(ヴァリアブル)」については 12/22 生+英他:「バリエーション」は「ない」方がいいですか? ~「variation(バリエーション)」と「変異(へんい)」と「新型コロナウイルス」の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*8:「動詞(どうし)」については 12/8 英語:「基本5文型(きほんごぶんけい)」って何さ? +四天王(してんのう) - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*9:「able(エイブル)/~できる」については 6/21 英語:「接頭辞(せっとうじ)」/色んな「medi-」の話 - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*10:「プログラム」については 10/11 数学:プログラム/ロボに指示(しじ)を出すゲーム! ~条件(じょうけん)と予約(よやく)のゲーム~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*11:「変化(へんか)」や、記事『変化を表す外国語セブン』については 8/26 国+諸外:「変化(へんか)」を表す外国語7つ+α! ~今週の外国語セブン ~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*12:「変形(へんけい)」については 4/30 理+国語:「変形(トランスフォーム)」してテストを迎え撃つ!? ~日々にあふれる「変形(へんけい)」~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*13:「○○個分」といった表現については 5/27 音+理他:「エコー(echo)」はみんなを助けてる!? ~エコー、反響(はんきょう)、超音波検査~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*14:「乱数(らんすう)」については 5/16 国語:「玄関(げんかん)」は「レベルアップの門(もん)」ですか? - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*15:ゲーム用語の「DPS(ディーピーエス)/Damage Per Second」については2/15 ゲーム+数他:「DPS(ディーピーエス)」を使って勉強スピードアップ!? ~「per」、「比」、「割合(わりあい)」の話~ - のっぽさんの勉強メモを参照。
*16:「未知(みち)」については 5/29 こころ+英他:「未知(みち)」は「奇妙(きみょう)」に見えますか? ~「unknowm(アンノウン)」と「strange(ストレンジ)」の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*17:「領土(りょうど)」については 4/24 英語:お遊び/中二病的な英文例 ~あいつは魔王で魔眼使い~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*18:「目に見えない」という意味の「invisible(インビジブル)」に関しては6/21 英語:「接頭辞(せっとうじ)」/色んな「medi-」の話 - のっぽさんの勉強メモ参照。
*19:「爬虫類(はちゅうるい)」については 1/30 理+英:生物分類の話(in英語) - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*20:「忍者(にんじゃ)」については 2/21 算数:鎧(よろい)を安く買って得をする!? ~セールとゲームと身近な算数~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*21:「SF」については 12/3 世界史:塩とコショウ、保存と時間 - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*22:アニメ『けものフレンズ』については 4/4 理科:幻(まぼろし)の蛇(へび)、「ツチノコ」の話! - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*23:ゲーム『メタルギアソリッド』については 12/8 数→英・社:「比(ひ)」の話って意外と面白いかも - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*24:ゲーム『エースコンバット』については 7/16 英語:お坊さんとファッションの関係!? ~「袈裟(けさ)」と「ストール」の関係~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*25:「ステルス」については 10/14 国+こころ:好きなことについて人とモメたくない時の話 ~「テーマ」と「話し方」~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*26:光学迷彩によってやりやすくなる「潜入(せんにゅう)」については 6/30 生+英他:「スニーカー」は「忍び寄る(しのびよる)」靴(くつ)ですか? ~靴の「スニーカー(sneaker)」と「sneak(スニーク)/忍び寄る」の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*27:「彩(さい)」については 7/20 理+国他:「水色(みずいろ)」と「水色」は違いますか? ~水色と水色(すいしょく)、そして水は透明ではなくて青いらしい話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。