のっぽさんの勉強メモ

主に中学の学習内容と、それに絡みそうな色んなネタを扱っています。不定期更新ですー。あ、何か探したいことがある場合は、右の「検索」や記事上のタグやページ右にある「カテゴリー」から関係ある記事が見られたりします。

2/17 歴史:人の名が土地になりました? ~「エウロパ」、「ヨーロッパ」、そして誘拐事件!?~

 歴史の話ー。
 「ヨーロッパ」地方の名前の語源とも言われる女性「エウロパ」についての話です。

※若干エロスというかアレな内容を含みます


 ギリシャ神話*1の話なのですが
 「エウロパ(Europa)」はヨーロッパの語源とも言われている女性です。

 彼女は当ブログでも何回か出てきてる「フェニキア*2という所の王女だったのですが、
 ある日神さまの「ゼウス」に一目ぼれされ、
 牛(うし)*3に姿を変えたゼウスにさらわれ、クレタ島まで連れていかれてしまったと。
 その連れていかれる時にヨーロッパ中を駆け巡ったので、
 エウロパの名から「ヨーロッパ(Europe)」と付けられたという説があります。
 まあWikipediaの「ヨーロッパ」のページを見ると他にも説が載っているので、「一説には」なのですが。

 で、「それにしてもこれ誘拐事件じゃない?でも『誘拐』って表現はギリシャの人に悪いかなあ…」
 とか思ってたら、すでに『エウロパの誘拐』ってタイトルで絵が何枚も描かれてました。
 …やっぱそうなんですな。


 昨日書いた「ジェロニモ*4さんのパターンでも、割と関係ない聖人の名から名前つけられてましたが
 誘拐されて連れまわされた土地に、その被害者の名前(エウロパ→ヨーロッパ)がついたとしたらなかなかにシュールですな。

 今まで「ヨーロッパ」というと(安易に)何となくオシャレなイメージで見てましたが、
 上記の事件があったと考えるとちょっと違うイメージもわいてきそうです。
 あなたの近くの土地の名前も、もしかしたら思ってもみない由来があるかもしれませんね。


 まあそんな感じで~。




追記
 ちなみにゼウスとエウロパの間には子供ができ、そこにはクレタ島絡みで有名な「ミノス王」もいます。
 上半身が牛の怪物*5ミノタウロス」を閉じ込める迷宮を作った人ですね。
 ミノス王は海神ポセイドン*6に祝いの牡牛を要求(そして生贄に捧げると約束)し、ポセイドンはそれに答えたのですが、
 その牡牛があまりに美しかったため、ミノス王は他の牛を生贄に捧げたそうです。つまり約束破り。
 ポセイドンはそれに怒り、ミノス王の奥さん「パシパエ」が牡牛に恋をしてしまう呪い*7をかけました。
 (別の説では女神「アプロディテ」*8が絡んでいたりもします)
 そしてなんやかんやあって生まれたのがミノタウロス
 …あれ、これ奥さんのパシパエが超とばっちりじゃない?
 と思いましたがギリシャ神話ではよくあるパターンでもありました。周辺被害がけっこうすごい。
 でもミノス王本人に呪いをかけておけばいいのに…と個人的には思いました。

 ところでこれ、奥さんが悲劇的な目に合ってるのに目を引かれますが
 送られた牡牛本人にしてみれば(もしも知性があったなら)
 「なんか生贄になるってんで覚悟決めて海神様のところを旅だったんだが、
  なんか俺があまりに美しいとか言って、ミノス王は許してくれず、
  そのせいで海神様が激おこ、関係ない奥さんが呪いをかけられ恋をして俺に迫ってくる。
  あの…でも俺は牛なんですけど…。あと奥さんかわいそうです…なんかごめん…」
  って感じかもしれません。これはこれでいたたまれない気もします。


◆用語集
エウロパ
 ギリシャ神話に出てくる女性。
 兄はテーバイを建国した「カドモス」。*9
 エウロパはゼウスによる誘拐の被害者だが、これが本人も乗り気であった場合、一気に「神牛でヨーロッパ中を駆け巡ったロデオガール」みたいな感じになると思われる。それはそれで土地に名前が残りそうだが。
 ちなみにゼウスは彼女に色々贈り物をしたとされ、その中には青銅の自動人形「タロス」も存在する。
 一説によればヨーロッパ、そして木星*10の衛星「エウロパ」の名の語源。
 もともとは女神であったという説もある。
 カードゲーム『シャドウバース』*11(「エウロペ」という名前で)やゲーム『モンスターストライク』に同名のキャラ(ただしこちらは衛星の擬人化かも)に登場している。


エウロペ(シャドウバース):
 カードゲーム『シャドウバース』に出てくるキャラ。クラスはウィッチ*12
 儚げで美しい外見ながら、5コストで出せば「疾走」「守護」「必殺」の能力を持つ。
 つまり場に出た瞬間に攻撃でき、味方を守り、ダメージさえ通れば戦闘した相手を必ず倒す(つまり味方の陣地を必殺の壁が守ることでもある)。
 なかなかな殺る気攻撃力の高さである。
 安易にエウロペを攻撃した敵が返り討ちに合うさまは、女神としての美しさや神威によるものかもしれないが、
 場合によっては格闘マンガで言う「間合いに踏み込んだらやられる!」とか「やべえ、カウンターの構えだ!」といったものの可能性がなくもない。エウロペの拳は一撃で仕留めるもの、二の打は要らぬ


・ヨーロッパ:
 地方の名前。
 関連地名:「イギリス」、「フランス」*13、「イタリア」*14、「ギリシャ*15
 関連人名:「カール大帝*16


クレタ島
 ギリシャの南、地中海*17に浮かぶ島。


・パシパエ:
 ギリシャ神話に出てくる女性。
 ミノス王の奥さんで、ミノタウロスの母。
 また太陽神「ヘリオス*18と女神「ペルセーイス」の子どもでもある。
 Wikipediaによれば姉妹である「キルケ―」と同じく魔術に長け、また不死であったとも言われるらしい。
 ミノタウロスの話のインパクトが強いが、王との間に多くの子どもを産んでもいる。
 ちなみに牡牛への恋に悩んだ彼女が名工ダイダロス」に相談したところ、
 彼が「中が空洞の牝牛の像」を作ってなんやかんや壁を乗り越えさせてしまった。
 結果がミノタウロス誕生。ダイダロスさん…。


ミノタウロス
 牛の頭の人間、という怪物。パシパエと「クレタの牡牛」の子ども。
 本当の名前は「アステリオス」というらしい。これは「星」*19や「雷光」を意味するらしい。
 英語などで似た言葉に「アスタリスク*20という物があるので、それをイメージするとわかりやすいか。
 だが「ミノス王の牛」という意味の「ミノタウロス」と呼ばれるようになってしまった。
 迷宮「ラビュリントス」に閉じ込められ、生贄の人間を食らっていたようだが、
 最後は英雄「テセウス」によって倒される。
 ちなみにこの時テセウスが迷宮から脱出するのを支援したのが「アリアドネ―」が渡した糸であり、
 現代でも問題の解決方法(脱出方法)を「アリアドネ―の糸」と呼ぶことがある。
 ダンテ*21の『神曲』にも登場し、地獄で罪人を痛めつける役割をしているらしい。日本でいう地獄の鬼*22のような感じである。
 ちなみにWikipediaによれば画家の「ピカソ*23は後年、絵のモチーフにミノタウロスをよく選んだらしい。
 「ミノタウロス」は最初は個人名のようなものだったが、ゲームなどではすっかり種族名になっている。
 ちなみにゲーム『Fate/Grand Order』には「アステリオス」という名前のキャラクターが登場する。
 関連用語:「獄卒(ごくそつ)」*24


アリアドネ―:
 ミノス王とパシパエの娘。
 なのでミノタウロスは彼女にとって異父兄弟になる。
 Wikipediaによれば名前の意味は「とりわけて潔らかに聖い娘」。すごい名前だ。


クレタの牡牛:
 ポセイドンは怒った時に牛も凶暴にして暴れさせたらしい。
 のちにヘラクレスに捕獲されたり、最後はテセウスに倒されたりしている。


ダイダロス
 名工、もの作りの名人として有名な人物。
 上記の「牝牛の像」を作ってミノタウロス誕生の一因を作ったのも彼だが
 ミノタウロスを閉じ込める迷宮を作ったのも彼であったりする。ダイダロスさぁん…。
 でもWikipediaによればそもそもアテナイを「殺人」(しかも才能や発明をねたむ系)で追われてクレタ島に逃げてきたらしい。
 …ゼウスによる誘拐といい、クレタ島はなんか事件に縁があるな…。なんか推理小説の舞台になったり、どっかの名探偵が来そうである。
 ちなみに息子に「イカロスの羽根」で有名な「イカロス」がいる。


・ペルセーイス:
 ギリシャ神話の女神。
 上記の「パシパエ」の母。
 彼女自身は過去記事で紹介した「オケアノス」*25と「テテュス」の娘でもある。
 他の子どもの「キルケ―」やコルキスの王になった「アイエーテース」*26なども有名である。
 また息子の「ペルセース」は兄「アイエーテース」を追い王になったが、のちに姪の「メーデイア」に殺されたという説がある。




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*1:ギリシャ神話」や「ゼウス」については 12/5 英語:ミュージック(music)の由来とギリシャ神話 - のっぽさんの勉強メモ を参照。

*2:フェニキア」については 12/10 英語:medium/巫女さんとステーキ - のっぽさんの勉強メモ を参照。

*3:「牛(うし)」については 6/24 英語:ゲーム/「英語サバイバル」食事編 ~ゲーム実況的な感じで~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。

*4:アメリカ先住民アパッチ族の戦士「ジェロニモ」については 2/16 歴史:「あくび」から「復讐(ふくしゅう)」へ ~アパッチ族の戦士「ジェロニモ」の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。

*5:「怪物(かいぶつ)」については 11/4 英語:ゲーム/「名前のない怪物」 ~名前を付けるゲーム~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。

*6:「ポセイドン」については 4/12 英語:色んな「フォーク」の話 ~食器と熊手(くまで)とダンスと民謡(みんよう)!~ - のっぽさんの勉強メモを参照。

*7:「呪い」については 3/5 国語:呪い(のろい)・祝い(いわい)・解呪(かいじゅ)・圧(あつ) - のっぽさんの勉強メモを参照。

*8:女神「アプロディテ」については 11/6 歴史:愛と美の女神、ヴィーナスの話 - のっぽさんの勉強メモ を参照。

*9:「カドモス」については 2/19 歴史:カドモス、神々に翻弄された者 ~神に奪われ、神より賜る~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。

*10:木星(もくせい)」については 3/12 理科:天体(てんたい)/神の名は星(ほし)になりました - のっぽさんの勉強メモ を参照。

*11:『シャドウバース』については 7/14 数+ゲーム:『シャドウバース』で確率を考える! ~投入カード枚数と初期手札編~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。

*12:カードゲーム『シャドウバース』のクラス「ウィッチ」については 9/7 国+ゲーム:「合成獣(キメラ)」を元に戻すゲーム!? ~「分け分け・キメラゲーム」~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。

*13:「フランス」については 10/22 生活:「青いチョコレート」の話! ~フランスの町「アンジェ」のチョコレート紹介~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。

*14:「イタリア」については 4/10 社+音:ボロネーゼとポロネーズ! ~パスタとダンスと英雄(えいゆう)~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。

*15:ギリシャ」については 12/18 社会:なんだか強そうなギリシャ料理の名前! ~ドルマダキア、スジュカキア、バクラヴァス~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。

*16:「ヨーロッパの父」とも呼ばれた人物「カール大帝」については 6/12 ゲーム+歴:「ヨーロッパ」にはお父さんがいた!? ~「シャルルマーニュ」こと「カール大帝」の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。

*17:「地中海(ちちゅうかい)」については 6/21 英語:「接頭辞(せっとうじ)」/色んな「medi-」の話 - のっぽさんの勉強メモ を参照。

*18:ヘリオス」については 12/25 理科:元素記号1~18 - のっぽさんの勉強メモ を参照。

*19:「星(ほし)」については 10/27 英語:色んな「スター」 ~ハムスターとシスターのポスター~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。

*20:アスタリスク」については 11/6 音楽:音楽メモ。有名曲とアニメ曲多目 - のっぽさんの勉強メモ を参照。

*21:「ダンテ」や『神曲』については 11/24 国+歴:「レンガ(煉瓦)」と「煉獄(れんごく)」、「救い」と「努力」 - のっぽさんの勉強メモ を参照。

*22:「鬼(おに)」については 5/25 英+歴:「聖霊(せいれい)」と死者、鬼と人 ~色んなゴースト~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。

*23:ピカソ」については 7/9 数+美:「キューブ(立方体)」と「キュビズム(立体派)」の話! ~「cube」&「cubism」~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。

*24:「獄卒(ごくそつ)」については 3/23 インドネシア+歴:「ゴジラ」も「ガメラ」も「羅刹(らせつ)」だった!? ~「raksasa(ラクササ)」と「ラクシャーサ」の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。

*25:「オケアノス」や「テテュス」については 9/18 歴+英:「靴」と「女神」と「ミサイル」の話!? ~女神「ニケ」「ナイキ」の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。

*26:「アイエーテース」や「コルキス」、「メーデイア」については 2/21 歴史:英雄「イアソン」と頼れる仲間たち!? ~アルゴ―号の冒険、そしてその末路~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。